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2017年4月24日 11:09:26

法政大学大学院 杉崎和久教授 ~まちづくりにおける空き家利活用の可能性~

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安寧のまちづくりプロジェクトでは、それぞれの想定区域で、多世代が交流できる拠点の整備等が必要になると聞いています。そのなかで、とくに旧市街地については空き家の活用がポイントになってくると思います。

 一般に空き家は景観や治安の悪化、老朽化による倒壊のリスクなどが指摘され、良くないものだと認識されがちです。また、相続や家族の問題により意思決定が難しいことや、住宅流通に対する誤解などもあり、なかなか活用が進まないという課題もあります。

 そんな空き家ですが、まちづくりに関連して考えると、新築やリフォームと比べて、非常に低コストの建物ストックだという新たな一面が見えてきます。

 他地域の例として、NPOのオフィスとして空き家だった物件を活用した事例では、長い間使われていない荒れた空き家を、ワークショップ形式で自分たちで改修し、コストを大幅にカットしています。

 空き家の活用は簡単ではありませんが、持ち主への働きかけを地道に行うことで、活用が進むことも多くあります。空き家の持ち主の方へのヒアリングや、活用を考える方を交えての座談会、空き家の見守りや清掃のボランティアなど、できることは沢山あります。

 空き家は地域の方々にとって身近な問題であるので、まちづくりの議論の取っ掛かりとしては考え易いテーマの一つであるといえるかと思います。近江八幡市の安寧のまちづくりプロジェクトを通じて、多様な方々が参加し、空き家を活用して意見やアイデアを形にされていくことを楽しみにしています。

 

【プロフィール】

杉崎和久(すぎさき・かずひさ)

法政大学法学部政治学科、大学院公共政策研究科教授。専門は、都市計画・まちづくり。大学院修了後、(財)練馬区都市整備公社練馬まちづくりセンター専門研究員、(公財)京都市景観・まちづくりセンターまちづくりコーディネーター等として、各地の住民主体のまちづくり活動の支援業務に従事。